100人力ネットワーク背景画像 100人力ネットワーク背景画像

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2012年度 第1回 教育・学習成果発表会

 2012年9月29日に工学部の本年度第1回教育・学習成果発表会が、 100人力ネットワークのご参加のもと物質生産棟で開催され、100人力ネットワークから17名、 教員26名、学生47名の総数90名が参加しました。発表会では、工学部長の挨拶のあと、 新たに文科省に採択された※「理数学生育成支援事業」について、 センター長がその主旨と今後の取組について説明しました。 続いて、学生によるキャリア教育、ものづくり教育を受講しての活動成果報告があり、 引き続きポスターセッション形式での「キャリアデザイン・ワークショップ」が開催されました。 キャリアデザイン・ワークショップでは、普段なかなか接する事の出来ない100人力の方々から社会人の目線として、 「それぞれのプロジェクトの創造的な部分は何なのか。何を目的としているかわからない」といったご意見や 「製品は設計の考え方、製作の考え方だけでなく、違う角度から見て判断する検査の考え方が必要」 といったご意見など様々なアドバイスを頂きました。 また学生からは、「直接社会人の方と話し合う事ができ、色々な意見を頂いて良かった」 「チームで動く場合のアドバイスを頂けたので良かった」といった今回の発表会を行って良かったとする声が多く、 今回の教育・学習成果発表会が大いに学生の勉強になったのではないかと思います。
 会議終盤には、100人力ネットワークの幹事の方から全体にわたる講評があり、 それぞれ新規採択事業への取組み姿勢、失敗から学ぶリーダーシップ、実践教育のテーマ選びなどについて、 多くの貴重なコメントを頂きました。以下に100人力ネットワークの皆様から頂いた意見を掲載させていただきます。 なお、第2回教育・学習成果発表会は2013年2月16日に新潟市内で開催されます。

※「理数学生育成支援事業」とは、理数の分野に優れた能力・意欲を持つ学生に対し、 さらに意欲や能力を伸ばすための体系的な教育プログラムを対象に4年間補助が行われるものです。 このプログラムでは、学年・学科を越えた学生のチームが研究や技術開発に関する活動を行い、 学生が相互に啓発できる場「スマート・ドミトリー」による新たな教育システムの構築を行います。 それにより高い研究能力と意欲および高度なリーダーシップを有し、 国際的に秀でた学生「トップ・グラジュエイツ」を育成する取り組みです。 特に、意欲のある学生は1年生から研究などの活動が 継続的に出来るのが特徴となっています。



100人力アンケート集計結果

「教育・学習成果発表会」に関する意見
  • 製品は設計の考え方、製作の考え方だけでは問題発生を防げません。設計とまったく違う角度から見て判断する検査の考え方が必要です。
  • 一部のグループは「いつまでに何を」というスケジュールがあいまいのまま進められているいう印象を受けました。
  • 目的(オリジナルな視点)に対する背景説明、すなわち、目的の位置づけをより明確にしてはと思いました。
  • 「~~ということがわかりました」という言葉が続き浅薄な感じで、学生の実感として正直さがないのがありました。「わかる」ということが実に至難な作業ということを知ってほしいと思います。
  • ポスター形式は、学生間の交流も可能となり、今後も続けてほしいと考えています。
  • 参加学生が能動的に活動している様子がみえて、大変たのもしく感じました。客観的な視点からの考察がもう少しあってもよかったかもしれないと思います。
  • 目的(オリジナルな視点)に対する背景説明、すなわち、目的の位置づけをより明確にしてはと思います。
  • 継続して発表会のできる体制は高く評価出来ます。学生が広く参画出来るようPR活動を期待しています。
  • 「PPTによるオーラルの発表」と「ポスターセッションでの発表」と両方あったので、専門外の当方にとってもわかりやすく興味深く聞けました。
  • 発表テーマが多くなってたいへん良かったと思います。工学部の学生数から考えると、もっとテーマ数が多くなり、みんながいろいろなことに努力することを期待します。
  • 先生方も大変だと思いますが、常に新しい試みを取り入れてよいプロジェクトにしていただくことを期待しています。
  • 実際にやってみて、失敗しそれを克服することが大切であり、そこから大いに学ぶ事があると思います。

「理数学生育成支援事業」に関する意見
  • トップグラジュエイツとして、研究者の育成に特化しすぎている感があります。産業の発展という切り口といくと、必ずしも、研究開発力の向上のみではないはずです。グローバルスタンダードで勝ち抜くシステム、仕組みは日本文化の特徴である組織力を高めるのも一案と思います。
  • 大変大切な育成事業だと思います。文部科学省に提出するための文言だけでなく、事業体の人たちがきちんと理解できる言葉での表現を使ってうまく指導してください。
  • 本プログラムで「トップグラジュエイツ」が育成できるはずとは思いますが、その人材を外部へアピールする場がもっと必要ではないでしょうか。国際発表の場を多くすべきです。
  • 高度な研究・開発能力を持った学生も多くは就職して、企業に入るとあらゆる場面で問題点解決をしていかなければなりません。そこに求められるのは知識と現場力をあわせた知恵です。理数学生育成支援事業の中でも、現場力を身につける視点が必要と思われます。
  • 工学で使用する文言は、ほとんどJISで定義されています。正しい文書の作成にも必要となりますので、是非カリキュラムへ入れてください。
  • グローバルな理系人材の育成では、数学、物理・化学、生物、英語などだけでなく、もっと広い視野で考えることの出来ることも考えた教育が必要と思いました。今回の文科省のプログラムの建前では困難ということでしょう。創造プロジェクトなどに参加することで、この欠点を補うことも出来ると思います。
  • 産業界経験者の意見も参考にし、とくに、企業自身の技術力変化。海外進出に伴う求める技術者像を正しく把握することが重要と思います。
  • 学生にとっては、好きなことを楽しくやれて最高だと思います。社会とも接しながら良い経験になると思います。
  • 大変期待できる事業だと思います。ただし、大学院まで含めてプログラムを完成させないと、優秀に育った大学院生が他大学の大学院に流出してしますのではないかと懸念いたします。
  • 人材育成が企業にとっても第一です。優秀な人材が新潟から流出せず、地元の星として活躍し続けることを期待します。また、受け入れる企業側も優秀な人材がおもいきり活躍できるように努力いたします。

2012年度 第2回 教育・学習成果発表会

 2013年2月16日に平成24年度 第2回教育・学習成果発表会が、100人力ネットワークのご参加のもと 新潟市中央区のチサンホテルにて開催され、100人力ネットワークから 26名、教職員28名、学生78名の 総数132名が参加しました。発表会では工学部長の挨拶のあと、全体の取り組みについての説明を 鳴海敬倫センター長から、スマート・ドミトリーの 取組状況報告が山内健教授からありました。
 今回の学生発表はスマート・ドミトリーを受講している学生に加え、キャリア教育を受講した学生を中心に行われ、 計17グループの発表がありました。その後のキャリアデザイン・ ワークショップを兼ねたポスターセッションでは、 100人力ネットワークの方々と学生、教職員との活発な討論がなされました。 特にスマート・ドミトリーを受講している学生には 研究を行うことが求められていることから、 "独自性"という視点での突っ込んだ議論がなされました。
 今回の発表会はスマート・ドミトリーの学生については、活動を本格的に始めてから約3ヶ月での発表になりました。 次年度も研究を継続していく上でのいいモチベーションになったようです。 以下にスマート・ドミトリーを受講している 学生の感想を掲載します。



参加学生アンケート結果

    【看護士動作の人間工学的研究】
  • ポスターセッションで100人力ネットワークの方々の鋭い質問やアドバイスで、自分たちの研究のつめに甘かったところや自分が理解できていなかったところなどが、明らかになったり自分のプレゼン能力の足りなさを実感した。次回の報告会では、もっとうまく説明できるようにがんばりたい。
  • 私たちが気づかないような観点からコメントをいただき、とても参考になりました。また、研究に限らずこれからの人生の中でプロジェクトをやっていく中で大切なことも教えていただきました。しっかりと目的を持って軸を固定してぶれないように注意して、これからも活動に関わり取り組んでいきたいと思います。

  • 【場を読むネットワークの構築】
  • 初めてこのような場所でポスター発表をしたので、緊張していてうまく説明できなかったりと、反省がいくつもあった。しかし、とてもいい経験だった。次にこのような場があったら、相手にうまく伝えられるよう工夫をしたり、活動をしていくたい。
  • 多くの人、特に100人力ネットワークの方々は私たちの想像以上に期待を寄せていただいていることにとても嬉しく思った。

  • 【社会連携型コミュニケーション支援技術の研究】
  • 自分たちの研究テーマに興味を持ってもらうのは難しいものだなと感じた。より興味を持ってもらえれば、より活発な討論により、多くのことを得られるのだなと感じ、より多くの人に関心を持ってもらえるような表現なども勉強していけたらよいと考える。
  • 勉強不足であることが分かったと同時に、良い話をたくさん聞けて良かった。

  • 【BMI研究】
  • 100人力ネットワークの方々からの質疑にしっかりと返答できるかが不安だったが、自分たちの考えを伝えることができた。もっとこうしたらいいのではないか、とのアドバイスや情報を教えてくださったので、ただ伝えるだけでなく100人力ネットワークの方々の知識を分けていただくことができ、とてもいい経験になった。
  • ポスターセッションでは、その場で尋ねられとことをその場で返す難しさを知った。でも、自分なりに分かりやすく説明しようと心がけた。また、質問やアドバイスを受けて、とても勉強になったので、今後の研究に役立てていきたい。

  • 【筋電を使った義手の制御実験】
  • 質問というよりも実験内容の感想を聞かれたり、「人工筋肉を使ったらどうか」等の提案も多かった。なので、自分としては今回の発表はとてもためになった。
  • 今回のポスター発表は自分が相手に説明するというよりも相手側から様々なことを教わる形になった。そのおかげでポスター発表の時間だけで、今まで自分で得たきた情報よりも多くの情報を得ることができた。

  • 【バイオミメティクスによる飛行ロボットの研究】
  • 質問以上に多くのアドバイスをいただいて、今後の研究の際に参考になるだろうと感じた。大勢の専門家の前での発表は、緊張もしたが将来に活かせる有意義な経験だと思う。
  • 100人力ネットワークの人たちから、もっと解析に力を入れたほうが良いとか、ビデオ撮影して詳しく調べたほうがいいなど具体的なアドバイスをいただけたので、これからそのことを活かしていきたいと思った。

  • 【電磁界共振結合方式ワイヤレス電力伝送】
  • 先生方や100人力ネットワークの方々から様々なアドバイスをいただけたので良かった。勉強不足と感じることが多かったので、さらにがんばっていきたい。
  • 社会人の方々との話で、工学部の学生のあるべき姿を知り、この先どのように研究に取り組んでいくかという心構えができた。
  • プレゼン発表では、今まで進めてきたことを分かりやすくまとめ、聞きやすいように話すことの大変さ、大切さ、重要さを知ることができた。ポスターセッションでは、自分が内容に対してどれだけ理解しているのかを問われた。そして、それを伝えるための話し方など勉強になった。

  • 【人工湿地による環境浄化】
  • 今まで考えたことのないことを聞けて、とても有意義だった。また、専門分野の方もきて参考になるお話を聞かせていただき、良い経験になった。
  • こういった場で発表を行うのは初めての機会でしたが、やってよかったと思います。ポスター発表では今まで考えもしなかったことを指摘されたのが新鮮でした。また、ためになる話を伺えたので充実した時間でした。

  • 【汚泥灰からリンを回収する資源循環技術の開発】
  • パワーポイントはうまくいかない部分もありましたが、ポスター発表では、100人力ネットワークの方々からの質問やアドバイスをいただいて、とても良い刺激になりました。特に化学以外の分野の方からの質問やアドバイスの中には自分が気付かなかったところを捉えている鋭いものがあったのでとてもいい勉強になりました。またこのような機会を開いてほしいと思いました。
  • 初めて大きな場での状況だったので、緊張し早口になったりしたが、他分野の方々から意見をいただき、今後の展望に活かせる様な意見をもらいとても勉強になった。

  • 【エネルギー社会を支える未来材料の開発】
  • 自覚はしていたが、自分たちの研究といえるような独自性の内容が薄かったため、自分たちのアイデアを尋ねる声が多かった。新しいアイデアを出す重要性と大変さを痛感した。
  • やはり実験にかける手間と時間が少なく、データが少ないと感じた。また、自分たちのアイデアをさらに出して新しい研究をしていきたいと思った。

  • 【高温超伝導と環境浄化】
  • アドバイスをいただいたり、工学部の学生としての数値の取り扱いについてもっとしっかりするよう指導してもらったり、有意義な時間だった。また、実際にどのようなところで使われる技術なのか企業の人は気にしていたように思える。
  • 専門分野の方から、全く知識を持っていない方まで幅広い方々とのディスカッションを行うことができたのでとても有意義な時間でした。自分たちでは予想もつかないような質問があったりと、これからの活動で大いに参考になるものが多く、さらに理解を深めて、新しいアイデアを出せるようにこれからも努力していきたい。