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センター長挨拶

ヘンリー・ダイアーの3つのレッスンと工学力教育

 工学力教育センターでは、工学力=「学ぶ力」+「つくる力」を合言葉に、創造プロジェクト、スマートドミトリー、G-DORM学生交流プログラムといったプロジェクト科目を開講しています。 これらの科目の特長は、学年と分野を越えた学生が集い、寮生のようにワイワイと自由闊達にものづくりに取り組めるグループワーク教育にあります。 私たちは、この取り組みを『ドミトリー型教育』と呼んでいます。その原点は、明治時代に弱冠24歳で来日して、 東京大学工学部の前身である工部大学校の初代都検(校長)に就任したスコットランドの技術教育者、ヘンリー・ダイアー氏の3つのレッスンにあります。

レッスン1 エンジニアとしての使命感-工学は個人のためでなく社会のためにある
レッスン2 エンジニアとしての実践能力-講義と同じ時間数の実習が必要である
レッスン3 エンジニアとしての教養-専門職業に直接関係ない教養を育むことが大切である

 工学力教育センターでは、これらのレッスンから工学力のエッセンスを学び、前述の3つの新しい教育プロジェクトを生み出しています。 その特長は、①持続可能な社会の実現のためにSDGs(持続可能な開発目標)の達成を題材にして、工学者の精神を養っている点、 ②創造工房での設計・加工をはじめ、協力教員の研究室でも研究できる仕組みを構築し、独自の演習を開講している点、 ③メコン流域の4大学との協働による海外インターンシップを通じて、専門分野だけでなく、文化に融合する工学技術の理解とアントレプレナー教育を実践している点です。
 昨年度は、コロナウイルスの感染拡大による世界的なパンデミックが発生し、それにともなう東京オリンピック・パラリンピックの延期など、我々を取り囲む環境が激変してしまった1年でした。 新潟大学でもオンライン中心の授業となり、工学力教育センターにとっても手さぐりの1年でした。 このような状況下でもドミトリー型教育を止めることなく、参加学生の工学力を育むことができたのは、ヘンリー・ダイアー氏の3つのレッスンを忘れずに、教育プログラムを工夫してきたからに他なりません。 3つのレッスンを基軸にして、安全安心な環境で工学教育を提供するための手段を考え抜いたことで、ブレークスルーがいくつも生まれました。 実験ができない時期は、SDGsと自分たちの研究を関連させるチャートを創作して、遠隔ミーティングで議論を行うことで、持続可能な社会で役立つ製品をデザインできました。 また、学生が自宅からオンラインで、大学のCAD等のソフトウエアを活用できるようにして、ものづくりのデザインを行えるようにしました。 さらには、自宅からでも各実験室の入室登録と作業状況をモニタリングできるように整備することで、安全な環境で演習する時間を確保できました。 また、海外インターンシップは、国際オンライン協働学習プログラム(COIL)を開発することで、独自の留学インターンシップをオンライン形式で実現できました。 参加学生からは「パスポートも必要なく、渡航費・滞在費もかからずに、リアルな留学とインターンシップを体感できた」との感想もありました。 コンテストなどの中止が続く中、2020年度だけでも、ジャパン・ビジネスモデル・コンペティションでのBSN新潟放送賞、世界大会Robomaster Technical Challenge 3rd Prize、 日本機械学会北陸信越支部 学生賞など、国内外で表彰されていることからも、この1年の取り組みが有効であったことがわかります。 もちろん、センター関係者が一丸となり、コロナウイルスの感染拡大など、環境の変化を理由にしてドミトリー型教育を諦めるのではなく、この環境の変化に順応し、 さらに進化することを目指して、学生指導に取り組んだ成果の賜物でもあります。
 2年後の2023年、新潟大学工学部は100周年を迎えます。「教育は国家100年の大計」という言葉がありますが、現在はまさしく、次の100年に向けての工学教育の転換期でもあります。 ヘンリー・ダイアー氏のレッスンに学びながら、希望にあふれる学生諸君と協働することで、持続可能な社会を実現するための問題解決法を見つけ出していきたいと思っています。

山内 健(材料科学プログラム)

組織と内容

 工学力教育センターは、「学ぶ力」と「つくる力」を統合した「工学力」を学生諸君に身につけてもらうための 教育プログラム開発を目的として設置された工学部附属の教育センターです。
 本センターは、「地域社会及び企業との連携を図り、工学力教育プログラムの体系化を目指すとともに、 工学力教育の充実・強化を進めること」を目的としています。
 本センターには、6つの部門があり、それぞれの部門長が連絡を取り合いながら、センターの運営を行っています。 また各部門には、多くの協力教員・協力職員がいて、学生の活動をサポートしています。 それぞれの部門の名称と役割は次の通りです。

事業強化部門
 地域社会及び企業との連携強化を進めるとともに、工学部の教職員のサポートを得て 新たな教育プログラムの開発・試行を行い、工学教育のプラットフォームを整備します。 また、センターの運営に必要な財政基盤の構築を行います。

研究プロジェクト部門
 学生が自主的に研究に取り組む「創造研究プロジェクトI、II」を開講します。 創造研究プロジェクトは、1年生のうちから研究活動に参加できる「スマート・ドミトリー」 プログラムを実施しており、先輩や教職員の指導の下、大学のカリキュラムで 専門科目を学びながら研究を行います。

開発プロジェクト部門
 学生が自主的にものづくりに取り組む「創造プロジェクトI、II」を開講し、 創造工房の協力のもと、ものづくりの楽しさを体験させます。また、 その成果を学内外の大会で発表するためのサポートを行います。 さらに、学生が創造工房を自主的に使えるような仕組みの構築、安全教育を実施します。

国際教育部門
 企業の海外進出など産業の急速なグローバル化が進む昨今、工学系技術者にとっては、 チームでの研究開発遂行能力はもちろんのこと、協調性やリーダーシップ能力、 さらには社会科学的視座を含めて工学を俯瞰する力が必要とされています。 国際教育部門では、地域連携部門と連携し、地域創生課題解決能力と融合的視点をもつ 理工系グローバル・リーダー人材育成を目指した取り組み(G-DORM)を行っています。

地域連携部門
 新潟県には、高い金属加工技術等を有する中小企業が集積していますが、経営規模が小さく、 新分野への展開が不十分であり、担い手も不足しているといった課題があります。 地域連携部門では、既存分野の高付加価値化、新規産業分野への展開など 次世代のものづくり産業を担える高度人材の育成、さらには新潟県内のものづくり企業群と 国際教育部門との強い連携のもと地域に根ざした理工系グローバル・リーダー人材育成を目指します。

工学基礎教育部門
 工学力を修得するためには、物理現象を理論的に解析できる思考能力の涵養が必要です。 工学基礎教育部門では、理論的現象の解明に必要不可欠な数学に関する教育プログラム開発と 授業実践を行っています。


部門長・協力教職員名簿

   
役職 氏名 所属 担当部門等
センター長 山内 健 工学部 材料科学プログラム
副センター長 佐々木 朋裕 工学部 機械システム工学プログラム
事業強化部門(企画戦略担当) 清水 忠明 工学部 化学システム工学プログラム 部門長
事業強化部門(企画戦略担当) 小浦方 格 工学部 協創経営プログラム 副部門長
研究プロジェクト部門 山際 和明 大学院 自然科学研究科
(化学システム工学プログラム)
部門長
研究プロジェクト部門 佐々木 朋裕 工学部 機械システム工学プログラム 副部門長
研究プロジェクト部門 弦巻 明 工学部 技術部
開発プロジェクト部門 山内 健 工学部 材料科学プログラム 部門長
開発プロジェクト部門 坂本 秀一 工学部 機械システム工学プログラム 副部門長
創造工房担当
開発プロジェクト部門 永野 裕典 工学部 技術部 創造工房担当
開発プロジェクト部門 羽田 卓史 工学部 技術部
国際教育部門 馬場 暁 工学部 電子情報通信プログラム 部門長
国際教育部門 上田 和孝 工学部 附属工学力教育センター 副部門長員
国際教育部門 鈴木 孝昌 工学部 電子情報通信プログラム
国際教育部門 坪井 望 工学部 材料科学プログラム
国際教育部門 BELLAN SELVAN 工学部 附属工学力教育センター
国際教育部門 中野 祥子 工学部 附属工学力教育センター 特任専門職員
地域連携部門 小浦方 格 工学部 協創経営プログラム 部門長
地域連携部門 佐々木 朋裕 工学部 機械システム工学プログラム 副部門長
地域連携部門 長尾 雅信 工学部 協創経営プログラム
地域連携部門 阿部 和久 工学部 社会基盤工学プログラム
地域連携部門 若林 悦子 工学部 協創経営プログラム
地域連携部門 高島 徹 地域創生推進機構
工学基礎教育部門 永幡 幸生 工学部 附属工学力教育センター 部門長
工学基礎教育部門 管野 政明 工学部 附属工学力教育センター
工学基礎教育部門 高橋 剛 工学部 附属工学力教育センター
工学基礎教育部門 酒匂 宏樹 工学部 附属工学力教育センター
工学基礎教育部門 山本 征法 工学部 附属工学力教育センター
センター総務担当 羽田 卓史 工学部 技術部
顧問 鈴木 敏夫 工学部 化学システム工学プログラム
(工学部長)
顧問 小椋 一夫 工学部 電子情報通信プログラム
(前工学部長)
顧問 田邊 裕治 工学部 機械システム工学プログラム
(元工学部長)
顧問 原田 修治 工学部 附属工学力教育センター 工学力フェロー
顧問 豊島 裕之 工学部 附属工学力教育センター 工学力フェロー
事務補佐員 桑原 亜紀 工学部 附属工学力教育センター
(センター総務担当)

安全管理

 工学力教育センターが開講する科目は、ものを製作することや、研究のための実験装置を自作する場合もあります。 その際、使用するものが工作機械です。工作機械は金属等の材料を加工することができます。 しかし、金属も削れるほどの力を持つ機械なので当然危険も伴います。十分に教育をされていない者が使用すると、 怪我・失明・死亡等の重大な事故を引き起こす可能性があります。
 工学力教育センターでは、これらの工作機械を使用する前提条件として安全教育を行っています。 安全教育は、どのような行為が危険か知識として知っておくための教育です。安全教育を受講し、 その知識が定着したことを確認後、少しづつ工作機械に慣れていってもらいます。工作機械を使えるようになるまで 以下の手順で安全教育を進めていきます。

  • 安全講座を受講し、工作機械利用者証の発行
  • 工作機械利用者証受領後、各機器ごとに安全作業の手引きにて自主学習
  • 工学力教育センターHPに掲載されている(当該頁下)webテストを受講
  • 満点を取れた場合、結果を印刷して担当者(羽田)に提出
  • 利用許可印を工作機械利用者証に押印

 工作機械の使用許可が出たあとは、技術職員の指導の下、少しづつ工作機械の実際の操作を 覚えていってもらいます。おおむね一年は一人で工作機械を使用することはせず、技術職員や 先輩の指導の下、使用するようにしましょう。なお、工作機械をある程度使えるようになっても、 自分の力を過信せず、常に冷静で謙虚な気持ちで使用してください。安全を常に意識し、 絶対に事故を起こさないという意識を持ち続けてください。以下に、工作機械使用までの フローチャートと、webテストへのリンクを示します。

安全管理のフローチャート
安全管理のフローチャート

安全管理のためのweb試験問題

共用設備

 工学力教育センターは、下記表に示すような共用設備を保有しています。新潟大学内の教育・研究活動に限り、 機器貸付を行っています。いずれの機器も使用する場合は、事前に羽田(haneda -at- eng.niigata-u.ac.jp)まで お問い合わせの上、予約システムより予約してください。


機器名 費目 料金 備考
3次元造形機 モデル材 \100/cm^2
サポート材 \120/cm^2
使用料 \400/h
技術料 \500/回 stlデータは依頼者側で作成
大型プリンタ 厚口コート紙 \500/1枚 失敗分 \50/10cm
光沢フォト紙 \1500/1枚 失敗分 \150/10cm
\3500/1枚 失敗分 \350/10cm
技術料 \250/回 PPT/PDFデータ対応
レーザー加工機 加工料 \1500/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 dxfデータは依頼者側で作成
基板加工機 加工料 \1000/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 Gerbarデータは依頼者側で作成
CNC加工機
(薄板用)
加工料 \1000/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 dxfデータは依頼者側で作成
マイクロスコープ
(Hirox社製)
使用料 \2000/30分まで
技術料 \250/回