ものづくり教育背景画像 ものづくり教育背景画像

Fabricationものづくり教育 Fabricationものづくり教育

2009年度 ものづくりプロジェクト製作作品

   工学部の学科共通の授業科目「創造プロジェクトⅠ・Ⅱ(現ものづくりプロジェクトⅠ・Ⅱ)」が、今年も一年を 通して行われました。本年度は34名6チームの学生が受講しました。 学生が自主的に決めたテーマに沿って、 企画・設計から製作までを行う中で、ものづくりの面白さ、厳しさ、チームワークの大切さなどを学んだようです。 以下に2009年度の製作作品を示します。

ギターの音色を変えるオリジナルエフェクターの製作

 エフェクターとは、内部に入っている電子回路によってエレキギターから送られてくる電気信号を加工し、 スピーカーから出てくる音を変化させるものです。 今回、製作したのはいわゆる「歪み」系のエフェクターです。 エレキギターから送られてくる電気信号は正弦波をたくさん重ね合わせた波なのですが、 その波の頭の部分をカットすることで歪んだかっこいい音を得ることができます。
 本体についている2つのつまみで、音量とどれくらい音を歪ませるかを調節することができます。 また中央にあるフットスイッチは、入力と出力を バイパスするか回路を通すかを決めるON/OFFスイッチになっていて 演奏中でも切り替えができるようになっています。

色々な音が出せるシンセサイザをつくる

 楽器の音など周期性を持った波形は通常、音程を決定する基本波と呼ばれる正弦波に その周波数の整数倍の周波数をもつ高調波という正弦波がいくつも重なってできています。 そこで、私たちのシンセサイザはH8マイコンというコンピュータを使用して、 周期の違う正弦波を足し合わせ、複雑な音を作り出せるようにすることにしました。
 マイコンから出力される信号はディジタルPCMというディジタル信号として出力されており、 これをアナログ信号に変換する必要があります。そこで電流を足し合わせ、 ディジタルの各ビットの重みを電流の大きさに変換し、それを足し合わせることで信号を取り出す D/Aコンバータ回路も同時に設計・作成しました。

ジャイロ効果で倒れない2輪車の製作

 ジャイロ効果とは、回転体が外部からモーメントが加わらないかぎり回転軸の方向を保つ性質です。 また、回転軸に外部からモーメントが加わると加えたモーメントの軸 および自転軸と直交する軸について 振れ回り運動をする性質のことをいいます。これらジャイロ効果を使用して走行中はもちろん、 停止状態でもバランスを保ち、倒れない2輪車の 製作を目指しました。車体の中心にあるボックスの中に 円盤が収納されており、この円盤を高速で回転させることによりジャイロ効果を発生させます。
※ものづくりアイディアコンテストin新潟にて努力賞受賞

学生フォーミュラプロジェクトNEXT

 学生フォーミュラプロジェクトは、今年度から部活として申請し、 創造プロジェクト兼新潟大学NEXT.フォーミュラプロジェクトとして活動しています。 今年度は「全日本学生フォーミュラ大会」 に初出場することができました。 学生フォーミュラ大会初参戦となる今年度は「simple is better」を設計コンセプトに掲げ、 年齢性別を問わない幅広い層に楽しんでもらえる車両を目指し、 1.シンプル レイアウトであること 2.フレームの剛性確保 3.低コスト の3つの観点から設計を行ないました。 その結果、2009年9月9日~12日に開催された第7回全日本学生フォーミュラ大会において、 全63チーム中54位という成績を修めることが出来ました。

FPGAによるオリジナル電卓の製作

 FPGA (Field Programmable Gate Array) とは、ハードウェア記述言語(VHDL)を使って 利用者が独自の論理回路(デジタル回路)を書き込むことの出来るゲートアレイの一種です。 H8やPICなどといったプログラム内蔵型とは 根本的にすべてが違い、 1.自由度が高い 2.開発が簡単に行える 3.高速で動作することができる などの特徴を持ちます。 これらの特徴をもつFPGAを使用して、液晶画面にカラーバーを表示する回路、8ビットの計算器、 液晶画面に7セグメント風の 文字を表示する回路などを作成した。最終的にこれらを組み合わせて、 パソコンモニタに結果を表示するオリジナル電卓を作成しました。

蛇型レスキューロボットの製作

 今回製作した蛇型ロボットのコンセプトは、「新しいアイディアを何か取り入れること」です。 企業や大学で蛇型ロボットはたくさん開発されていますが、新しい要素を1つ取り入れることで、 すでに存在するものの模倣にならないようなものを製作しようと考えました。その1つのアイディアが、 モジュールを球状にすることです。外側からの荷重に対し1番壊れにくい形状が球ですが、 完全な球型をしたモジュールの蛇型ロボットは見たことがなかったために、『ほぼ』球型のロボットを製作しました。 このロボットは、各関節にサーボモータが付いていて、そのサーボモータをマイコンで 制御することにより 動作する原理になっています。

TOPICS!

 創造プロジェクトのひとつとして活動している学生フォーミュラチームがMotor Fan illustrated Vol. 37(三栄書房) と自動車工学2009年12月号(鉄道日本社)に掲載されました。 また新潟日報からの取材を受けました。 この様子は2010年2月13日の朝刊に掲載されています。来年度以降の活動も大いに期待されます。