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ものづくりアイディア展 第19回 in 新潟

 新潟大学、長崎大学、富山大学の3大学は「学生ものづくり・アイディア展」という、学生が製作したものやアイディアを発表する共同発表会を毎年持ち回りで開催しています。 今年は、2021年12月11日(土)に、新潟大学が主催校で「第19回 学生ものづくり・アイディア展in新潟」を開催しました。
 昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響でオンライン開催となりました。学生が製作した実際の”もの”を直接見ることは叶いませんでしたが、 準備等の時間が無くなった分、アイディア展を第1部と第2部に分け、新しい取組を行いました。

 第1部はものづくりの町として有名な新潟県燕三条地域の企業であるツインバード工業株式会社 代表取締役社長 野水重明氏より 「スターリングクーラー開発物語 ~「心にささるものだけを。」ツインバードの挑戦~」と題して講演をしていただきました。 同社はスターリング熱機関を応用した、フリー・ピストン・スターリング・クーラー(FPSC)の技術開発や量産化によって、 新型コロナ対策の切り札であるmRNAワクチンの超低温運搬庫の開発に成功しました。その挑戦の歴史と開発秘話を伺いました。

 第2部では学生ものづくり・アイディアコンテストが行われました。新潟大学からは16件、富山大学からは7件、長崎大学からは2件、計25件の発表がありました。 その内容によって、エジソンコース(発明・発見・実用化)・ダビンチコース(発想・芸術・多学間領域に渡るものづくり)・ノーベルコース(SDGs・社会への関わり) の3つのコースに分かれて発表を行いました。発表会の途中には「コロナ禍の中、活動で苦労したことや工夫したこと」や「新型コロナウィルス感染拡大が収束してからの将来展望について」 といったテーマで学生懇親会が開かれ、発表の質疑応答とともに活発に意見交換が行われていました。
 各コースから、それぞれ「教職員・一般企業賞」と「学生賞」が選ばれました。加えて「自ら気づきを得て、アイデアを創出し、ゼロからイチを作れる学生」という観点で、 実行委員会特別賞が選ばれました。以下に一覧を示します。投票を行った教職員からは「どの発表も甲乙つけがたい素晴らしい発表でした」などの声が聞かれました。

エジソンコース 教職員・一般賞  新潟大学 CANSATプロジェクト
エジソンコース 学生賞  変幻自在の投擲機構(新潟大学ロボコンプロジェクト)
ダビンチコース 教職員・一般賞  学生フォーミュラにおけるものづくり(新潟大学学生フォーミュラプロジェクト)
ダビンチコース 学生賞  脳波を用いたVRの開発(新潟大学)
ノーベルコース 教職員・一般賞  人工湿地による排水処理(新潟大学)
ノーベルコース 学生賞  ブロッコリー農家支援のための害鳥対策機能を備えた支援電動モビリティ(長崎大学)
実行委員会特別賞  ラズベリーパイを用いたスマートスピーカ(富山大学)


企業講演会の様子              オンラインでの学生発表の様子

企業講演会の様子


オンラインでの学生発表の様子


 「学生ものづくり・アイディア展in新潟」には、3大学の学生145名、教職員55名、企業・一般の方17名、合計217名の方に参加して頂きました。 参加して頂いた方々よりアンケートを頂きましたので、一部抜粋して掲載させていただきます。

●企業講演会について

  • 講演会の内容が聞いていて面白かったです。今後の進路を決める参考になりました。
  • FPSCの話がとても興味深かった。特化した研究がどのように活用できるかは、出来てすぐの段階でも分からないということが分かった。
  • ツインバード工業の方からのお話では、実際に成功までの道のりや苦労をお話しいただき貴重な経験となりました。周りの人を巻き込み、あきらめず成功を信じて取り組むことが成功の秘訣であると感じました。私も将来社会に役立つものをつくるという思いを持って、粘り強くものづくりに携わっていきたいと思いました。
  • 企業や大学等での取り組みの発表を実際に見て、見識が広まったと感じられた。今後の自分達の活動にも活かして行きたいと思う。
  • ツインバード工業さんのお話は技術者としての心構えを感じた。
  • 企業講演会では企業としての研究開発の一端を知ることができたことも収穫であると感じている。
  • 企業講演会での野水氏の演説が聞けて良かったです。工学の先輩としてであり、人生の先輩、経営の先輩としての手腕などのことについて聞けて良かった。一番は諦めない心(が大事だなと思った)。
  • 高い技術力を持った企業の話を聞けて良かった。
  • ワクチンの運搬にツインバード工業の技術が使用されていることを知らなかったので驚いた。

●学生発表について
  • 他大学ではどのような活動を行っているのかや、どのようなものを使って活動しているのかなど様々なことを知れたことが新鮮でよかったと思う。(学生)
  • 自分が今まで触れてこなかった分野のお話を聞くことができたり、興味のひかれるアイデアに多く触れることができたのでとても良い機会になりました。 音声トラブルが多々発生していたのが気になりました。(学生)
  • 他大学の報告は、いつもの自分たちの大学でしている報告会とはまた違う着眼点があるので面白かったです。(学生)
  • 様々な活動内容を聞き、自分には思いつかないようなアイディアを知ることができた。工夫した点や課題を知れたため、自分が活動してく中で参考にすることで作業の効率化の向上も図れると思った。他のコースのアイディアについても聞いてみたかった。(学生)
  • 普段聞くことができないさまざまな発表を聞くことができて新鮮だった。実際に親睦を深めることができなかったのが少し残念だったので、来年は是非現地に行って交流を深めたい。(学生)
  • 特に他の大学の発表が、新鮮で面白く、質問したいことがたくさんあった。また、来年は是非対面開催してこのような意欲の高い他大学の学生と交流したいと感じた。(学生)
  • 時間が短くて一つ一つのプロジェクトについて詳しく知りたいと感じた。(学生)
  • 皆さん熱心に取り組んでおり,うまくいかない部分も解決策が検討され,次回が楽しみです。(教職員・企業一般)
  • 他大学の活動などに今まで関心を持つ機会はなかったが、ものづくりアイディア展を通して他大の活動を知り、関心を深めることができた。(教職員・企業一般)
  • 学生さんが楽しそうにモノづくりをしている様子が伝わってきました。(教職員・企業一般)
  • 学生懇親会で他大学の人と話をすることが楽しかった。特に長崎大学の人と話す機会があり、新潟との地域差をすることができた。(教職員・企業一般)
  • 雰囲気も良く、質問も活発で、学生交流もできていました。楽しいミーティングになっていました。(教職員・企業一般)
  • 学生さん達が主体的にコンテストを進めていたのが印象的でした。対面でできたらもっと盛り上がって、充実した時間になったことと思います。来年こそは対面でできるといいですね。(教職員・企業一般)
  • コロナ禍で制約が多い中でも、学生さん達が、しっかりと考え、活動している様子が分かりました。参加できてよかったです。(教職員・企業一般)
  • 今年の発表はやや小粒の印象ですが、やはりコロナ禍の影響で活動が制限されてしまったのでしょうか。(教職員・企業一般)

●学生ものづくり・アイディア展in新潟全般について
  • もう少し少ない人数のグループでやった方がやり易かった。(学生)
  • 質問時間に加えて,ポスターセッションがあるとより質問しやすい。(学生)
  • 音声の乱れが気になりました。あまり意見交換もしづらかった気もします。(学生)
  • オンラインで発言がしにくいところはあったが、発表が資料も相まってわかりやすく、興味深い内容が多くあった。(学生)
  • 全体的にとても興味深かったと思う。途中音声トラブルで発表が聞こえなかったのが残念だったがとても勉強になったため、来年も楽しみにしたいと思う。(学生)
  • もう少し懇談会の時間が欲しいと思った。(学生)
  • テンポよく進んでいてとてもよかった。(学生)
  • 各グループの連絡先を知れると良いなと思った。(学生)
  • 普段聞くことができないさまざまな発表を聞くことができて新鮮だった。実際に親睦を深めることができなかったのが少し残念だったので、来年は是非現地に行って交流を深めたい。(学生)
  • オンラインでも予想以上に良かった。(教職員・企業一般)
  • webでも十分よい機会になったと思います。(教職員・企業一般)
  • コロナで仕方ないとはいえ、対面で実物を見ることができなかったのは残念である。(教職員・企業一般)
  • オンライン開催ならではの手軽な参加(現地に赴かなくても良い)ができたと思います。(教職員・企業一般)
  • 事務局の音声がとても聞きづらかった。(教職員・企業一般)