ものづくり教育背景画像 ものづくり教育背景画像

Fabricationものづくり教育 Fabricationものづくり教育

2012年度 ものづくりプロジェクト製作作品

 「創造プロジェクトⅠ・Ⅱ(現ものづくりプロジェクトⅠ・Ⅱ)」とは、学科・学年関係なく学生がプロジェクトチームを組み、 1年以上の時間をかけてものづくりを行う 新潟大学工学部の名物講義です。今年度は58名の学生が受講し、 10のプロジェクトチームを組んで活動しました。
 今年度は、「スマート・ドミトリーによる高度工学力を有するトップ・グラジュエイツ育成プログラム」が開始され、 創造プロジェクトで 継続して活動し、一定の成果を挙げている「ロボコンプロジェクト」「学生フォーミュラプロジェクト」は、 従来のものづくりだけでなく、 より研究的なことをするよう求められました。
 創造プロジェクトで行っている活動は、2012年12月に新潟で行われた「ものづくりアイディア展in新潟」などで発表され、 他大学の同じようにものづくりを 行っている学生や、社会人の方々などと積極的に意見交換しました。 以下に2012年度の作品を簡単にですが紹介します。

ロボコンプロジェクト

 ロボコンプロジェクトは、機械システム工学科・電気電子工学科・福祉人間工学科、情報工学科の学生から構成されています。 このプロジェクトは名前の通り、「NHK大学ロボコン」への出場を目指して活動しています。2012年大会では、 44チームが応募した書類審査、および2回のビデオ審査を通過し、2012年6月10日(日)に 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)で開催された本大会に出場しました。
 本大会では第1戦目の電気通信大学には勝利したものの、第2戦目の長崎総合科学大学にはセンサートラブルにより惜敗し、 残念ながら予選敗退となってしまいました。 2012年大会が終わってからは、センサーや電気回路、制御理論などの勉強を進め、 2013年大会に向け、あらゆる環境で安定して動作するロボットを開発しています。
 2013年大会は環境緑化がテーマとなっており、2013年6月に本大会が行われる予定です。現在は書類審査、 第1次ビデオ審査と順調に通過し、第2次ビデオ審査に向け ロボットの調整をしている段階です。来年度も活躍が期待されます。

■ロボコンチーム(科学技術研究部)ホームページ
■NHKロボコンホームページ


学生フォーミュラプロジェクト

 学生フォーミュラプロジェクトは全日本学生フォーミュラ大会に出場することを目的としています。 全日本学生フォーミュラ大会とは、1年をかけて フォーミュラスタイルの車両を学生だけで製作し、 その車両の旋回性能、加速性能、耐久性能、設計の優秀さを競う大会です。
 今年度はマシン旋回性能、加速性能の追求をマシンのコンセプトに挙げ、車体を軽くし、足回りの設計も一新しました。 流体解析なども行い、 エンジンの冷却性能も高めました。
 書類審査通過後、9月3日(月)~7日(金)に静岡県袋井市のエコパスタジアムで行われた第10回全日本学生フォーミュラ大会に 参加しました。 大会では、車検を無事に通過したものの、走行練習の際にステアリングを破損し、 大会期間中復旧に努め何とか最終種目であるエンデュランス(耐久走行試験) までたどり着きましたが、 走行中にステアリングトラブルが再発、あえなく3周でリタイアとなりました。
 今年度は、「旋回性能、加速性の追求」というコンセプトは変えずに、より信頼性を高めたマシンを製作しています。

■新潟大学 学生フォーミュラプロジェクトNEXTホームページ
■全日本学生フォーミュラ大会ホームページ



小型ラジコンヘリコプターの自動運転装置の製作

 「小型ラジコンヘリコプターの自動運転装置の製作」チームは、小型ラジコンヘリコプターを制御して自動で飛行させる ことを目標としたプロジェクトです。 ヘリコプターを安定して飛行させるためには、空間における3つの回転軸 (ヨー軸、ロール軸、ピッチ軸)を制御しなければなりません。昨年度ヨー軸の制御に ある程度成功し、 今年度はロール軸の制御に取り掛かっています。実験装置の製作に苦労し時間がかかってしまいましたが、 現在は制御基板の製作を終了し 本格的にロール軸の制御を行っています。

電気自動車の製作

 「電気自動車の製作」プロジェクトは、既存の小型車を電気自動車に改造し、公道を走行することを目標に活動しています。 今年度は充電回路の製作と、モータを取り付けて走行するためのギアボックスの製作を行いました。特に充電回路は、 バッテリーを 複数個搭載するため、一度に複数のバッテリーを充電できるように設計しました。次年度は車体の改造を本格化し、 公道走行を 実現する予定です。

世界の裏側からの声を聞こうプロジェクト

 世界にはAMラジオ放送で、日本語の放送をしているところが複数あります。その中の一つがアルゼンチンです。 アルゼンチンは日本のほぼ裏側にありますが そこからの電波を日本で受信することが可能です。 その電波を自作のAM受信機で受信し、アルゼンチンの放送局の受信証明を取得するのがこのプロジェクトの目的です。 アンテナやアンプを自作し、さらにDSP(Digital Signal Processor)などを用いて、弱い電波を感度良く高音質で 受信することを目指しました。残念ながら アルゼンチンの電波はまだ受信できていませんが、 中国などの電波は受信することができました。次年度は目標であるアルゼンチンの電波受信を目指します。

お掃除ロボット製作プロジェクト

 近年、自動でお掃除をしてくれるロボット「ルンバ」が販売され、大きな話題となっています。 このプロジェクトはルンバを お手本として、自分たちでも自動でお掃除をしてくれるロボットを製作することを 目標に活動しています。壁伝いに移動する ところまでは達成し、次年度以降、部屋の大きさの認識や経路計画などに 発展させていく予定です。

鳥人間コンテスト出場を目指した飛行機製作プロジェクト

 毎年琵琶湖で行われる「鳥人間コンテスト」出場を目指して活動するプロジェクトです。 まだ始めたばかりなので、人が乗れるような 大きな飛行機を作るわけにはいきませんが、 航空力学などを少しずつ勉強し、小さな飛行機を製作しました。小さな飛行機を飛ばしながら 動作を解析し、段々と大きな飛行機を製作していく予定です。

エッシャーの滝製作プロジェクト

 エッシャーの滝とは、エッシャーが描いた永久に水が流れ続けるような錯覚をおこさせるだまし絵です。 永久に水が流れ続ける様子を 実物のモデルで何とか再現することを目的に、このプロジェクトは始まりました。 人間の目の錯覚を利用し、あたかも水が下から上に 流れているように見えるCADモデルを作成し、 実際にその模型を製作しました。ある一点から見ると錯覚によって、上下がつながって 見えるのですが、 少しでも視点がずれると、うまく見えなくなるのが欠点でした。

ロボカップシミュレーションリーグのためのプログラムの製作

 ロボカップとは、西暦2050年までに「サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」 という目標に向かって 人工知能やロボット工学などの研究や基礎技術を推進することを目的とした大会です。 このプロジェクトはロボカップの中でも、コンピュータ上でサッカーを行うシミュレーションリーグ出場を 目標として活動しています。ボールや味方プレーヤー、相手プレーヤーの位置を把握し、作戦を立てて サッカーをするためには高度なプログラミングの技術が要求されますが、パソコン上でサッカーをする様子を 見ているのは非常に楽しいものがあります。

タブレット型楽器の製作プロジェクト

 最近、ipadを初め多くのタブレット型端末が発売されています。タブレット型端末の大きな利点は、 インターフェースが 分かりやすく、直感的な操作が可能だということです。そのタブレット型端末を 使用して直感的に操作でき、いろいろな音が 出せる新感覚の楽器を製作するのが、このプロジェクトの目的です。 まだ始めたばかりなので、これからが楽しみなプロジェクトです。